2009年04月18日
スロープソアリングの楽しみ (その2)

平地でグライダーを飛ばすには、自力で高度をとることができないので(サーマルを捕まえるまでは)、グライダーを高い位置に運ぶ必要があります。
その方法は
1.ウインチで長いロープを急速に巻き取り、ロープの先に取り付けたグライダーを凧のように空に揚げる。
2.動力付の飛行機で上空まで引っ張って行く。
3.グライダーに動力を付け、上空まで上がった所で動力を止める(胴体に格納する)=モーターグライダーと言う
こうして高度をとったところで、牽引索を切り離したり、動力をとめたりして滑空状態に入り、サーマルを求めて飛行するわけです。
このように、平地ではグライダーを飛ばすためには、結構な仕掛けが必要となりますが、スロープソアリングの場合は簡単、グライダーを谷に向かって投げるだけです。
その原理を少々。
パラグライダーもハンググライダーもそうですが、およそ山の斜面で飛ぶものは、斜面上昇風を利用しています。
斜面上昇風とは平地に沿って水平に吹いてきた風(空気)が、山にぶつかると、山の斜面に沿って吹き上がってくる風のことです。
この風は山の斜面と同じ角度で上がってくる風なので、このベクトルは水平方向のアゲインストの力と、垂直上方への上昇する力とに分解されます。
この垂直上方向の風の力が、グライダーを上昇させるのです。
アゲインストの風はグライダーを押し戻しますが、グライダーの速度は普通その風速よりも速いので、前進します。
これが、斜面でグライダーを飛ばす原理です。
実機でもクロスカントリー(山岳滑空)と言って、山脈に沿って斜面上昇風を利用して何百キロと飛ぶ競技がありますが、
ここで言う「スロープソアリング」とは、模型のグライダーを山で飛ばすスポーツのことです。
模型と言っても、舵も何もないグライダーを山の上から投げたら、
どこかに飛んでいって失うのは必然です。
したがってこの場合のグライダーは無線で舵をコントロールして、
思った空域を滑空させ、思ったところに着陸させられるようになっています。
いわゆるラジオコントロール(ラジコン)で操縦する
「ラジコン・グライダー」ってわけです。
グライダーの舵には
・上下の動きをコントロールする水平尾翼についている昇降舵、
・左右の動きをコントロールする垂直尾翼についている方向舵、
があり、最低この2つの舵をコントロールすれば模型のグライダーは操縦できます。
しかしこの2舵だけでコントロールするには、主翼に上反角をつける
(翼を上方に反り返させる)必要があり、
・見た目にきれいでない(美意識の問題)と、
・初心者っぽい(ボーゲンみたいなもの、見栄の問題)
・機動性に劣るという問題
から、実機と同じようにエルロン(補助翼)も付けています。
エルロンとは左右の主翼の袖のところについている舵で、左右反対向きに動きます。たとえば右の舵が上がって、左の舵が下がると、機体は風をうけた風車のように右に傾きます。これが飛行機のロール軸を
コントロールする(左右の傾き=バンク角を調整する)働きをするわけです。
それ以外に、揚力を調整するフラップ、揚力を落とすためのスポイラーをつけているものもあります。
これらの舵はサーボモーターというものすごく小さくて薄い形のモーターによって動きます。このモーターは機体に積まれたラジコンの受信機につながれていて、送信機側のスティックの動きに合わせて瞬時に動くようになっています。
まったく本物の飛行機を操縦するのと同じ感覚です。
違うのは、本物の場合は機体の中にいて操縦席から外を見てコントロールするのに対して、ラジコンの場合は外から機体の姿勢をみてコントロールするところで、どちらかというとラジコンのほうが操縦は難しいといわれています。(余談)
機体は翼長2mから4mくらいのものを飛ばします。
機体の構造は、
・バルサ材という軽い木材を骨に薄い被覆材(最近はプラスチック)をかぶせたものや、
・高級なものは実機と同じようにグラスファイバーやカーボン繊維やケブロン繊維をプラスチックで固めたもの
などがあります。
翼長は大きくなればなるほど小さな風の乱れに影響されないので安定して飛びますし、遠くに飛んで行っても機体の姿勢が見やすいという利点があります。
大きいので着陸時に損傷しやすいのと高価というハンデを勘案しても、鷲のようにゆったりと大空を舞う姿はなにものにもかえがたい
うっとりとするような眺めです。
飛ばすところは海や湖に近い当然見晴らしの良い山頂が多いので
そうした海や湖や空を背景に自分の作ったグライダーが優雅に飛ぶ姿を見たら、病み付きになること請け合いです。
昔、紙飛行機を飛ばして遊んでいたいたいけな少年は、今、4mのスケールグライダーを飛ばして悦に入っています。
皆さんも挑戦してみませんか。
Posted by mojohand5111 at 18:18│Comments(0)
│ラジコン